人の心は「イイコトがあれば気分が上がりイヤなことがあれば落ち込む」というのがベースとしてあっても、けしてそれほど単純なことばかりではなく、特に理由はなくとも気持ちが暗くなったり投げやり・ヤケになることも十分にありえることですね。
それでは医師から「あなたは軽いウツですね。」と言ってもらえば解決でしょうか。
私はちがうと思います。
とくだん、なにか悪いことがあったわけでもない。
それなのに「すべて悪い方向に進んでしまえばいいんだ!」というほどに ”最悪な気持ち” になることにより、自ら物事を悪くしてしまおうとするような行動をしたり考えたりしてしまう。
そしてその最悪な心は、ウツのようにずっと続いたり身体が重くなったりするわけではなく、半日や数時間もすれば消えてしまうこともある。
私はそんな不思議な状態・症状のことを下記のように呼んでいます。
ただの不機嫌とは違う精神状態の名称
”非アクティブマインド”
心の動きが異常な速さでネガティブへ向かうことにより短期間(時間)だけ最悪な心をつくり出す状態。
そして通常、人間は物事に対して「いい方向へ進むように行動する」というのが基本・本能であるのに対して、この状態・症状のときには自ら悪くなるような行動を起こすこともある(起こしたくなる)。
「物事を良い方向へ進めたい!」という本能が、何らかのきっかけにより活発さを失い(非アクティブ)、すべてに対してマイナスの感情を抱いてしまうような精神状態・症状。
多くの方から見ると「ほんとうにそんな人いる!?」と思うかもしれません。しかし私は自身がそうであっただけに「ただ不機嫌」である人と「非アクティブマインド」である人は見分けられます。
まわりに隠しているだけで、考えているよりもいらっしゃるものです。
しかしそんな症状に対することを詳細に考えているサイトが見当たらなかったので、私がここにつくりました。
そんなどうしようもない心をつくり出さないための考えかたとして、下記のことを伝えていきます。
この記事を読んでわかること
・どうしようもなく最悪な心理状態の ”症状”
・そうなってしまうトリガー(要因)とは
・最悪な心の状態を ”つくりださないための対処”
・もし最悪な心に ”なってしまったときどうするか”
これから挙げる症状に合致するような心当たりのあるかた。ようこそここを見つけてくださいました。
結論からいうと、これはウツでも病気でもありません。できるだけそうならないような考えかたがあります。
いっしょに心の向き合いかたについて考えていきましょうね。
-Contents-
最悪な心理状態。その症状とは
このような荒れた心の状態には特徴があります。
ただの ”不機嫌” ではない、まるで自分がひどくネガティブな人間になってしまったような、怒り・悲しみに満ちたような心。
このような心に向き合い対処していくには、まず症状についてしっかりと自身で把握しておくことが大切です。
私自身が経験したことから、そして私と同じような状態に悩んでる友人と会話しながら分析しました。
多くの特徴がありますが、基本となるいちばん大きな症状から見ていきましょう。
症状:「すべてのことが悪くなってしまえばいい」と考える
非アクティブマインドになってしまった時のいちばんの特徴。
「物事を良くしよう」の気持ちが遮断されている状態なので、目の前で起こることに対してほとんどすべてのことが不機嫌・イラつきなどのマイナスにつながります。
とてもやっかいなのが、普段は人のいい方であったり真面目であったりすることから、あからさまには不機嫌である状態を表に出さないこともあるんですね。
なので周りから見ると「その人の通常の判断で」マイナスの行動をしていると思ってしまうので、その人自身の評価としてネガティブに判断してしまうという影響も出てきます。
このように「本人が あからさまに表に出さない」というのが、今後の人間関係にもつながってくるというのが問題です。
症状:せっかくのことを自ら台無しにしようとする
目のまえで起こることに対してすべてをネガティブに考えようとする精神状態です。
・「せっかく」作ったのに壊したくなる
・「せっかく」苦労して来たのに何もせず帰りたくなる
・「せっかく」優しくしてくれた相手に対し冷たい態度をとりたくなる
上記のように、非アクティブマインド のときにはすべての物事が本人に対してマイナスに働きます。
なぜ「せっかく」という物事のときにマイナス行動が出やすいのかというと、「せっかく」というのは ”何かを積み上げて至った” 状態であることが原因です。
思い出してください、非アクティブマインドの心というのは「すべてを悪くしたい」というのが特徴です。ですので ”積みあがったものを壊す” というのはいちばん「悪いほうへ向かう」ということに叶った行動なのです。
症状:なにをするのも面倒な気分になる
これは多少ウツの症状にも似ているかもしれません。しかし異なるのは、ウツは ”無気力” であるのに対し 非アクティブマインド 状態の人というのは やるべきことはやる、という意思はあるわけです。
しかし、そこに「物事を悪くしてやろう」というジャマな思考が入り込んでしまうことから、理性と非アクティブマインドがそれぞれジャマをし合い、ひどく「めんどくさい」気持ちになるんですね。
こんな時には、頭をつかって考えるような作業や仕事は向きません。たんたんと行うような単純作業などであればいいのですが、いずれにしても周りからみるととてもやる気が無いように見えるかもしれません。
こういった症状であるだけに、周りには理解されにくいのも特徴です。
最悪の心をつくりだす ”要因” とは。
上記で見てきたような症状のあるかたは過去の私と同じ仲間です。私も過去に、幾度となくこのような症状に悩まされては自分らしくない態度をとったりして自信をなくしていく、というような時期を過ごしたことがありました。
しかし今こうして克服できたのも、きちんと心に向き合い「なぜ自分はそんな心をつくり出してしまうのか」「どんなときにそうなってしまうのか」ということをしっかりと考えたからです。
要因をおさえていくことで、それに近い状況になったとき自分がだんだんと ”非アクティブマインド”(最悪な心の自分)になりかけてるぞ!という瞬間がわかるようになってきます。
ひとつずつ、見ていきましょう。
要因:自身で気づかない劣等感
どんな性格であったとしても、”劣等感” を入口として 非アクティブマインド の状態となってしまうことがあります。
これは、初めから「自分は劣等感を感じてしまっているな」と思えてしまえば良かれ悪かれ、自然と心が順応していくのに対し、自分自身でも劣等感を感じていることに気づかず心が容赦なくダメージを受けることで、気づけば最悪な心をつくり出してしまうという例です。
プライドが高いためにすんなりと相手のいい点を認めることができなかったり、実力で劣っていることが明らかであるのに自分のほうが勝っていると思い込むことで現実を見るたびに心にマイナスの負荷が溜まっていくようなことが起こります。
大きな要因:気持ちの裏にある、小さな不安が入口となる
これは経験したことのない方からすると、とても理解が困難であると思います。
しかし同時に、かなり陥りやすい要因でもあるんです。
ふつうの人が当たり前に楽しんだり成功できるようなこと(好きなアーティストのライブ!や重要なプレゼンなど)を「もし楽しむ(うまくいかせる)ことができなかったらどうしよう。。」という、”ちょっとした不安の気持ち” が入口になり、そこから一気にマイナス思考の波に包み込まれる事が起こります。
それにより、目の前の現実でもそれを実行しようとするような行動をとってしまうことが原因。
ポイント
自分にとって「楽しめなかった自分」のほうが実現しやすい出来事であると自己納得してしまうことで、物事が始まる前であるにもかかわらず「楽しむ(うまくいく)はずがそうならずに最悪の状態となった自分」として現状にあらわれてしまうという心理現象。
大きな要因:人から責められるとき
とにかくこの「最悪な心」をつくり出すのは、自分の心がとことんマイナスになったときです。
人から感情的、もしくはかなり明確・直接的に自分が責められていると感じたとき、心のなかで起こる事として「自分は悪者なんだ」という ”自己納得” です。
自己納得することによってどうなるのかというと「自分は改善できない程の悪者なんだ」という心と「すべて悪いことになってしまえばいい」という、まさに最悪な悪循環により「自分が悪いかもしれないが、知ったことじゃない」というような態度をとることになります。
要因:睡眠不足であるとき
これは ”疲労” のときにも起こりえますが、とても 非アクティブマインド の基礎ができあがりやすいのが 睡眠不足 である状態です。
みなさんのなかでも、寝不足であることが原因で機嫌がわるくなったり物事をマイナスに考えがちになったりしたことはありませんか。
睡眠というのは私たちにとって、心の状態を整えるという意味でもとてもたいせつなことなんですね。
「そんな当たり前のこと!?」と思うかもしれませんが、じっさいに私はしっかり寝るようにしたことで上記のような最悪の心をつくり出してしまうことが格段に減りました。
ポイント
「さいきん最悪の心になりやすいな」と感じたら、まずは何日かたっぷりと睡眠をとってみる。
最悪な心にならないための対処
上記のような要因を頭で理解したところで、次はそれをどうやってかわしていくのかということが問題ですね。
私や、同じ症状でツラい思いをしている友人たちにも話をきき、いちばん有効であると考えられる対策についてご紹介していきます。
対策:すぐさま、まったく別のことを考える
上記のような症状に悩んでいる方であれば、自身が急激にマイナスの方向に考えが向かうような、あの独特な感覚がわかる方もいるかと思います。
失敗してもいいので、あえてそのイヤな感覚を何度でも思い出しながらつかんでおくこと。その感覚をつかんでおくだけでも、事前にくい止めるという意味でかなり有効です。
ポイントとしては下記のようなことを自身で把握し、感覚をつかんでおくことです。
ポイント
・これまでどんな状況で 「最悪な心」 になってしまったか
・そうなってしまう直前はどんな感情であったか
・どんなことを考えていてなってしまったか
過去の自己分析と、感情、そして考えていたこと。これがつかめていれば大丈夫ですよ。
ここまで分析できたならば、あとはそれに近いような状況のときにはしっかりと意識し、注意しておけば準備OKです。
そして万一最悪な心に侵されそうになったら、すぐに ”まったく別のこと” を考えるようにしましょう。
”非アクティブマインド” の症状は特徴的で、心の入口から侵入されたあとはすごいスピードで包みこまれ、気づけばマイナスの感情になっています。
そうなる前に「あの感覚が来た!」と思ったらすぐにまったく別のことを考えて気をそらしましょう。原始的な方法かもしれませんが「これから来そう」という感覚さえわかっていれば、うまく避けることができるようになってきます。
ポイント
・最悪な心になるときの感覚をつかんでおき、そうなりそうなときにすぐ別のことを考える。
・できるだけ楽しみにしているようなことを考える。
・原始的な方法であるが、コツをつかんでおけばうまくいく。
対策:音楽で心を整える
ひどく悪い精神状態でないかぎり、音楽というのは直接心にはたらきかけ気分を良くするもの。さいきんではウツなどの治療に「音楽療法」というものが注目を浴びているほどです。
状況によりすぐに音楽を聴けるものではありませんが、大好きな音楽は持ち歩くようにしましょう。
ちなみに、気分により心が癒される順番がちがうことにも意識してみましょう。
ポイント
◆落ち込んでいるとき:”静かでゆったりした曲” から ”爽快感のある曲” へ
◆やる気がでないとき:”ややリズム感のある曲” から ”壮大さを感じるような迫力ある曲” へ
◆心を落ち着かせたいとき:”やや単調な曲” から ”リラックスできるゆったりした曲” へ
対策:身体を動かす
身体を動かすことで血中の~濃度が、とか何とかホルモンが、何とかいうのが分泌されて・・・とかよくわかりません。
単純に、気持ちがスッキリするからです。
自身のことを考えてみてもそうでした。
学生のときはいつも勉強で、そして社会人になったら仕事で疲れて、など何かしら「体うごかしてないなぁ~」というときは気持ちも何だかスッキリせず、上記のような「最悪な心」になりやすいことに気づきました。
ポイント
・時間がなければ朝10分だけ早起きしてストレッチや筋トレをする、軽く体操をするだけでもいいです。
生活をガラッと変える必要はありません。
上記のような、ほんのすこしの身体をうごかす行動をするだけで内面から変化するのを感じることができるはずです。
対策:自己分析をしておく
上記で挙げた「最悪な心」をつくりだしやすい状況というのは、大元に ”自分の心の弱さ” があります。
もちろん誰しも心の弱点があるものですが「どんなときに自分の感情が大きく動いてしまうのか」、そして「そもそも自分はどんな人間なのか」ということをしっかりと知っておくというのはかなり有効な対策となります。
過去にワクワクしたこと、イヤだったこと、どんな人間関係であったか、なにをがんばり、どうやって問題に向き合ってきたかなどを、できる限りしっかりと思い出し、分析をしてみましょう。
ポイント
”自分がどんな人間であるかを知る” を意識して、詳細まで思い出してみましょう。
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それでも「最悪な心」になってしまったら
いくら対策していても、そしてどんなに普通の自分でいると思っていても、上記した ”非アクティブマインド” のような「最悪の心」になってしまうときというのはあります。
それはけしてあなたが悪いとか弱すぎるとか、そのようなことは一切ありません。
ただ、人よりも真面目であったり信じやすかったり素直であるためにすべてを自分で受け止めようとしたりした結果、それに心の負荷が過剰に重くなってしまい、自分でもそれを支えきれなくなってしまった状態なのです。
「最悪な心」が出てしまったり「最近よく出るな」と感じたならば、それはあなたの心が休息をほしがっている証拠です。
がんばりすぎる自分をいったん制しましょう。
最悪な心の時に気をつけるべきこと
・そういう自分のまま何かを判断しない
・人にいつもと違う自分で接さないことを意識
・仕事ならば一旦、単調作業に切り替えること
・家族には今の自分が疲れていることを告げておく
・この状態での考えごとは一切しない
とにかくそういう状態になった ”いつもと違う自分” のままで何かを判断したり人と深く接したりしないことです。
仕事中であれば単調作業に切り替え、家であれば家族に理解しておいてもらうことです。
そしてすべてネガティブになった状態で考えごとをしても、良いことを考えることはありません。
自分の心に向き合う、そしてゆっくりと休息するタイミングであると考えましょう。
さいごに。この記事を書くにあたり伝えたかったこと
上記でお話してきた内容というのは、ごく普通に生活している人にとってはイマイチ理解できないような症状であるのかもしれません。
しかし、同時に過去の私のように心の症状で悩みを持っている人にとっては、とても共感してもらえるような内容であると思います。
過去、私自身とても気分の浮き沈みが激しく、よく上記のような「最悪の心」の自分をつくり出してしまい、その自分のままで人と接することでたくさんの信頼を失ってしまった経験もあります。
しかしそうやってたくさん悩む中で自己分析することで、そんな自分になってしまうトリガー(要因)があることにも少しずつ気づくことができ、そして同時に対処する方法も模索することで気づきをえることもありました。
ネットで検索をしても答えが見つからず、人へ話したところで「この人はウツなのか」とか「傷つきやすいひと」としか見てもらえずにツラかった経験から、自分がこれを発信してすこしでも同じようなことで悩む人に手を差しのべられたらと思い、この記事を書きました。
自分らしくない心をつくり出してしまうことで悩んでいる皆さん、まずは長年経験した私が改善できた方法をためしてみてください。
悩める方々が、自分らしく生きていけることを心から願っています。
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