私が社会人になってからこれまで、前職も含めると約10年ほど問題が集まってくるような部署で仕事をしていました。
日々さまざまな種類の問題がせまってくるなかで、「問題解決」の能力がなければさらに問題が問題を呼ぶというサイクルにハマってしまう。そんな毎日を奮闘しながら、先輩方の補助もありつつ自然と鍛えられました。
問題というのは、起こったときにはとても大きく見えるものですね。
しかし一つ一つ整理し、自分の考えうるベストな解決策を考えるとき「自分のなかにはこんな解決策を考え出す能力があったのか!」と、驚きさえ感じることもありました。
そういう意味でも問題を発見し解決していくプロセスというのは、ある意味 「自分を知ること」 でもあると思っています。
ここでは、そんな問題解決をしていくうえでの考えかたを見ていきましょう。
-Contents-
そもそも ”問題” とは
※photo by TABIZINE様
なにかの出来事に対し、人は「問題が起きた!」と言いますね。
しかし、そもそも「問題」ってなんでしょう。まずはその概念を考えてみます。
ポイント
「問題」とは ”あるべき状態とのギャップ” のこと
このようにとらえることができます。
下の図を見てみるとわかりやすいです。
「本来こうあるべきはずなのに、今はこんな状況になっちゃってるよね。」というように、あるべき姿(もしくは理想)であるところ何らかの原因で別の状態になってしまっている。
これが、いわゆる「問題が起きた」という状態ですね。
そして「問題解決」とは、上図の赤い矢印の下の部分から上に向かって、できるだけ短くしていくプロセスのことです。
問題の認識と向き合いかた
※photo by office-compress様
じつは問題を解決する前に、多くの人にとってとても難しいことがあります。何だかおわかりでしょうか。
それは「問題を認識すること」です。
どうしても人には”慣れ”があるので「これまでずっとそうだった」とか「みんな気にしてない」という環境により、多くの人がそれを問題として認識しないということが多くあります。
しかしそういう問題はやっかいで、解決されないまま大きなことへ発展し気づけば大きな問題となってしまっているということも十分に起こりえます。
そうならないためにも下記について普段から気をつけておきましょう。
ポイント
・本来の状態・状況をしっかりと把握しておく
・自身の ”違和感” に正直になる
・不便だと思うことを敏感に感じる
・常に、いい意味での ”疑い” をもつ
・ちょっとした ”ズレ” を見逃さない
問題解決能力を高めるために、がんばるべきこと。
※photo by マーケティングラボ様
オフィスでの仕事を行っている方であればわかると思いますが、業務というのはとても多忙であるときとそうでない時があります。
いろんな人を見ていて思うのが、忙しい時期が終わり、しばしゆったりした期間ができたときに気のぬけたように落ち着いてしまいすぐに「コンフォートゾーン」に入ってしまうということ。
はてな
”コンフォート・ゾーン”
「安全領域」とか「快適領域」と訳されます。
仕事をするとき、自分の能力で比較的楽にできること、もしくは能力以下であることばかりを行うことでストレスや恐れ、不安を感じることなく安心して過ごせる状態・環境であること。
“書き出し法” による問題発見と解決のパターン
※photo by アフィリエイト戦記様
平常時には自分のやる仕事をノートに書き出してみることをおすすめします。そうすることで整理できることはもちろん、問題点の発見からそれに対する解決方法の気づきなど、さまざまなメリットがでてきます。
さいきん私がある業務について改善しようと思い書き出したノートがこちら。(※殴り書きにより汚くてすみません。。)
人名や内部のことも書いてあるので画像は加工しています。全体的な雰囲気のみご覧ください。
【事実リスト→改善策パターン】
自分が行っていることや困っている内容のリストを左側に書き出し、それに対して考えうる「改善策」を右に書き出しています。
事実や問題のリストを書き出していくときには、できるだけ難しいことは考えず単純に自分がやっていることを書き出していきます。
困っていることの詳細や、明らかに改善できると思う内容は近くに書いておくと、あとでわかりやすいですよ。
そうやってできたリストに対し解決策や提案を書いていくときには、とても優れた解決策でなくとも「○○に相談」や「○○を見ると参考になるかも!」という程度で、”少しでも良くなること” が書いてあればOK。
書き出す過程、そして策を実践するなかで別の仕事のインスピレーションが沸くこともあるのでおもしろいですよ。
さいきんの、私の ”問題解決ノート”
仕事/プライベートに関わらず、さまざまな考えごとに対しノート整理して考えることはとても有効です。
私の場合、問題解決をするときに書き出していく上でいくつかのパターンがあるので、ちょっとだけご紹介します。
【分散→解決型】
ひとつの大きな問題をいくつかに分散し、その各分散した項目に対して自身が思う答えや考えを書き出していくスタイル。
このページを書いたときは分解した問題を □ で囲み、そこから導き出せることを羅列したり意味を転じたりしてみました。
大きな問題を初めから考えていても行き詰るので、分解して考えてみるのもとても有効です。
ひとつの出来事のなかにある要因を抜き出し、その一つ一つに対して解決を試みることで難易度をさげることができます。
ポイント
大きなプロジェクトを遂行するとき、そして難しい案件を誰かに説明、もしくはプレゼンしなければならないときなどに役立ちます。
【思考転用型】
ひとつまたは複数の問題に対し、自身の考えを次々に展開していくスタイル。
漠然とした問題にあたるときには、思考転用型の考えかたが有効です。
ノートのなかに矢印がたくさん見えるでしょうか。
一つのことに対して次々に矢印で転じているのですが、最初の問いから矢印が何本も出ることもあります。
ポイント
多くの可能性を秘めた問題に対し、考えられる内容や転じることで別の見方ができるというときに役立ちます。
「問題解決力がある」とは。
問題に直面したときに正しい判断をしたり、最終的な目標を見すえて行動できる人には下記の共通点があります。
共通点
・人が見えていないものを見る能力がある
・分析能力がある
・アイディアが豊富
ひとつひとつ見ていきましょう。
人が見えていない事を見る能力がある
仕事ができたり、問題に対してとてもいい動きができる人というのはこの能力に長けていることが多いです。
それでは、なぜ見えないものが見えるのか。それには下記が関連しています。
①洞察力がある
このようなひとは、物事をざっと見た時にピンポイントで問題点や矛盾を見抜くことができます。
この能力に長けている方(上層部の人!)にコツをきいたことがあります。そのときに帰ってきた言葉が「常に疑って掛かること」でした。
洞察力がある上司
「世の中ではよく考えればおかしい事でも、あたかも当然のように説明されたり最もらしい言葉を並べられると納得してしまう人は多い。
しかし、いい意味で「本当にそうか?」という疑問を持ちながら物事にあたるだけで、たった一つの事象に対してもいろんな質問が浮かぶはずだよ。」
私はどちらかというととても人を信じやすい性格です。
しかし、ほどよいくらいに疑いを持った視点で仕事にあたることで解決・改善に役立つということが分かってからは、意識して実践しています。
②興味をもつ
天才肌の人はあることに対する興味が異常に高い、ということをきいたことがあります。
それと同じで、物事に対してまずは興味をもつことから始めると、次第に見えないものが見えるようになってきます。
興味や関心というのは、じつはとても小さい何かから始まることが多いです。
一見おもしろくなさそうな企画、そして自身で任された仕事内容など、それぞれに対して何かひとつでもいいので
・気になること
・うまくいけばこういう風に良くなるかも
・これって実は自分の知識を増やすのにいい仕事かも
などの ”おもしろみ” を意識した良さを考えてみましょう。
表面からはわからないことの中に、じつはおもしろいと思えるような事を見つけることができるかもしれません。
分析能力をもつ。(※オススメの鍛えかたあり)
「分析能力を高める!」と言っても簡単にはできることではありませんね。
しかし、少なくとも鍛えることができます。私が大学のある科目でやっていたことがとてもおもしろかったのでご紹介します。
やり方はかんたんで、ある「ひとつの事象」や「ランダムに選んだ知らない人」に対して 判断ができることや疑問に思うこと を、できる限りたくさん挙げていくという方法。
たとえば、下記の画像をパッと見て、思いつく限りの情報を推測します。
私ならば
【判断できること】
・東京駅付近、20代くらいのスーツ男性、身長180cmくらい → バッチリネクタイの営業マンか、クールビズの季節ではない可能性
・走っている → 自ら走っている事から指示を出す上の立場ではない、走るほどに仕事への情熱、足や腕の振りがしっかりしているので運動神経良い
・手ぶらで走る → よほどの急用、昼休み中、忘れ物を届ける、遅刻しそう、持ち物の何かが風で飛んだ、日頃から走る習慣、
・周りに人がいない → 朝の通勤時間帯より早い時間か、たまたまその瞬間を見ただけ、走っているのでよけた、そもそも画像が加工された
もっと多くあると思いますが、たいせつなのはできるだけ多く、そしていろんな可能性を考えながらたくさん挙げていくこと。
そしてハイレベルですが、できればそれに対する疑問を投げかけてそれを推測してみるというのも有効でした。それは2人いれば一人が疑問を投げ一人が答えるという形式がとれます。
アイディアが豊富
周りが「あのひとって皆が見えない事が見えてるよね~」という人は、なにかといろんな発想をします。
そしてそんな発想力豊かなひとの特徴は・・・
「視野が広い。」
会議室のなかだけでなく会社全体、会社を飛び出して地域や人々、国全体や世界までと言っても過言ではないほどに広い視野で考えます。
場合によっては時を飛び越えたような見方で過去の経験や、明確な将来の話にまで広がるのですごいなと思います。
そうした発想を目にしたとき、いかに自分自身が狭い枠のなかで考えていたのかと恥ずかしくなることさえありますよね。
目的を達成するための方法は無限に広がっています!!
じつはこの世のなかに「枠」なんてない。
どんな目標であれ、目的を達するためにできることってじつは無限にあるのかもしれません。
素敵な目標を叶えるために、自分だからこそ思いつくような方法で工夫し提案していくことはけして悪いことではないのです。
そしてそういうことを意識するだけでもすこしずつ物の見かたが変わってきますよ。
さいごに。問題は1人だけで解決しなくてもいい。
※photo by docoic.com様
ここまで、問題解決についてさまざま見てきましたがいろんなノウハウがあっても、そしていくら天才であっても一人だけでがんばる必要はありません。
特に仕事というのはきちんと明確な目標がたっていて、問題が起きたときにはうまくチームワークで連携することで一人悩むより何倍も早く解決できることも多もの。そしてそれが大きな成果につながることもありますよね。
同じ目標をもつ人同士であつまれば、自身がやるのに苦手なことに対してもそれを補ってくれる人が出てくるかもしれません。
問題を解決するために考えを整理し、広い視野をもつ。そして先輩がたの知恵をもらったり、周りをしっかりまきこんでの問題解決というのを積極的に行うことができれば、おのずと問題を解決する能力が身につくはずです。
みなさんの周りにある問題が、良い方向に進み解決されることを心から願っています。
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