※photo by CARORI 様
寒い、寒い冬。私は夏生まれなので(関係ない?)幼い頃から寒いのが苦手で、寒いだけで何もしたくないし気力が沸かないというのが悩みでした。
そして秋頃であれば寒い日でも暖房がよく効くので部屋にさえいればいいのですが、問題は真冬ですね。最高気温が10度を下回り、北風の吹くような日には暖房をつけていても何となく寒いし、広いリビングなどの部屋では足元が寒くて困りますよね。オフィスにいてもそう思います。
そこで、真冬の暖をとる対策として一つご紹介したいと思います。
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真冬の部屋の状態は寒いのが当たり前な理由
真冬に部屋で暖房をつけていても何となく寒い。。そして足がすぐに冷たくなります。それには基本的な理由がありました。
それは、「温かい空気は上へ行き、冷たい空気は下へ行く」という自然法則です。「そんなことは知ってるよ!」という声が聞こえてきそうですが、だからと言って何か対策をしている方はわりと少ないように感じます。
下図は、ふつうの四角い部屋でエアコンをつけた状態を、温度のわかる解析ソフトで可視化したものです。
※photo by マイナビニュース様
これはエアコンの温度設定を20数度にしたとき。エアコン付近、そして天井は27度くらいあるのに対し下の方は18度くらいにとどまっていますね。
エアコンが家庭用・業務用に関わらず、暖房をつけた部屋のなかというのはだいたいこのような状態になっています。
その道40年以上のベテラン電気屋の社長さんにきいてみた
※photo by EST電設工業様HP
仕事柄、電気屋さんと関わることも多い私。オフィスや家庭での暖房効率を上げる方法についてきいてみました。
「同じように悩んでいるお客様も多いです。」と、I電気商会のI社長様。
暖房をつけた時というのは、たとえ22~23℃くらいの設定であったとしても 空調の吹き出し口からでる風というのは35℃以上の熱い空気です。
しかもその空気は自然法則により天井に沿って滞留しつづけるので、暖房をつけていても寒い場所はいつまで経っても寒いです。
いちばんいいのは、サーキュレーターを使う事です。先述したように、温かい空気というのは天井付近に滞留しています。その空気を風でかき回すだけで、部屋の形状にもよりますが温度は3~4℃くらい変わってきますよ。
たしかに温かい空気が部屋の天井付近にたまってしまうというのは感覚的にわかります。ただそれを、下の方へ送るとなると天井ファンでもなければ難しいかな、と何となくなにもせずに暖房の温度を上げる方も多いのでは。
そもそも「サーキュレーター」とは
※photo by PREMOA MAGAZINE 様
上記でベテランの電気屋さんが「サーキュレーターを使えばOK」という話をしていましたが、そもそもサーキュレーターとは何か。それぞれ「風を送る」という意味では同じなのですが、目的が別なんです。「扇風機と何がちがうの?」という疑問にお答えします。(※「そんな事は知ってるよ!」という方は、この章を読み飛ばしてください。)
まず結論からいうと、下記です。
ポイント
◆扇風機・・・・・・・・人が涼むためのもの
◆サーキュレーター・・・空気を循環させるもの
夏の暑いときにスイカを食べながらつけるのが「扇風機」。それに対してさまざまな目的で空気を循環させるためにつけるのが「サーキュレーター」です。
サーキュレーターの使い道
「空気を循環させるために」と言っても、具体的にはどうやって使えばいいのか。それはサーキュレーターの特徴の一つとしての「遠くまで空気を飛ばせる」というところに利便性のある使い方が考えられます。
ポイント
・暖房で天井に滞留した温かい空気をかき混ぜる
・よどんだ空気を窓の外に効率よく排気する
・室内での洗濯物を早く乾かす
・湿気を飛ばす(※室内・浴室・押入れ内 など)
「スパイラル気流」のものがオススメ
サーキュレーターにもノーマルなものと「スパイラル気流」のものがあります。ちなみに「スパイラル気流」というのは、2010年にアイリスオーヤマが開発した「風が渦を巻きながら直進する風」のことです。
※photo by アイリスオーヤマ 商品説明画面
扇風機と違いこの「渦を巻く空気」を発生させることでより強力に、そして遠くまで空気を飛ばすことができるのでさまざまな用途で使用することができるのです。
アイリスオーヤマの「スパイラル気流」を売りにしたものは下記のような物です。
出始めの頃とくらべて安価になり、かつ消費電力も扇風機とほぼ変わらなくなるほどに進化してきているので、だいぶ求めやすくなってきました。
サーキュレータを使用したときの部屋の状態
さて、上記した「サーキュレーター」を使用する方法ですが部屋の状態がどのようになっているのか、先ほどの解析ソフトで温度を可視化した図で見ていきましょう。
①暖房をつけて何もしないとき (再)
※photo by マイナビニュース様
温かい空気は空調から吹き出されたあと、天井付近にたまっていますね。
②エアコンの真下に置き、真上に向かってサーキュレーターを回したとき
※photo by マイナビニュース様
これは断然、温かい空気が下に降りてきていて目で見てすぐわかるほどの差がありますね。なにもしていない時と比べて、いちばん低い温度が4℃くらい上がっています。人の体感として3℃以上上がれば「気温が上がったな(あたたかくなったな)」と感じるそうなので、効果は感じられそうですね。
③エアコンの真下に置き、壁側に向かってサーキュレーターを回したとき
※photo by マイナビニュース様
②でだいぶ変わったと思いましたが、何と壁に向かってサーキュレーターをまわすことでまた温度が上昇しました。いちばん低い温度でも、何もしない時と比べて一部は同じく4℃の上昇ですが、おおよその場所は6℃以上上がっている場所もありますね。
家庭用エアコンでも、業務用エアコンでも同じ効果がある?
業務用エアコンは、よくオフィス等で見かけるこれですね。
※photo by ac-web.com 様
吹き出し口も4方向あり、広い部屋でも効率よく温めることができるので便利です。家庭用エアコンだけでなく、業務用エアコンでもサーキュレーターを使えば部屋の空気を循環させることができるのでしょうか。またI社長にきいてみます。
家庭用の壁づけエアコンは1方向の吹き出しで狭い範囲を、業務用は(主に)4方向でパワフル、という違いはありますが、基本的に部屋全体を温めようとする目的はいっしょですね。
そして温かい空気が天井付近に滞留するという特徴も同じです。ですので、エアコンの形に関わらず風が吹き出し口から出る付近に、空気を循環させることを意識し調整すれば部屋があたたかくなりやすいです。
さいごに
※photo by Design Magazine 様
サーキュレーターは夏場に使用するイメージがあるため、倉庫に眠っているサーキュレーターをあえて冬に出そうとする方は少ないのではないでしょうか。
しかしこんな形で冬の寒い時でも活躍してもらえるのであれば、有効活用できますね。今回話を伺ったI電気商会のI社長も、よくエアコンを取り付けに行った先のお客様から「暖房の効きが悪い」などと話を受けることも多いそう。
しかし「スパイラル気流」のサーキュレーターが2010年頃に発売されてからというもの、同じようにサーキュレーターを使用した方法を実施していただくと面白いように「だいぶ温かくなりました!」という声も多く頂くようになったそうです。
実際に私もオフィスと自宅で同じ方法にて空気を循環させていますが、やはり足元が暖かくなるだけで人の体感温度も変わるんだなということを身をもって体感することができました。
「暖房をつけているのに、なんだか寒い・・・。」と悩んでいる方は、この方法を試してみては。
サーキュレーターはおしゃれなものからシンプルなものまで、さまざまなバラエティがあります。インテリアにも最適ですね。