このところ、「結婚はしない!」と心に決めている若い世代が増加傾向にあるとききました。
既婚者の私から見ると、結婚前の不安であるとか恋人ができないとか。。そういう理由以外のことが思い浮かばなかったので調べてみることにしました。
まずは、こちらをご覧ください。
NHKが「日本人の意識調査」として5年に一度行っている調査です。
全国の16歳以上の5400人を対象に個人面接法で実施し、50.9%にあたる2751人から回答を得ました。
この中で、結婚についての考え方を尋ねたところ「必ずしも結婚する必要はない」と答えた人は68%、「人は結婚するのが当たり前だ」と答えた人は27%でした。
※NHK NEWS WEB より引用
ネットの各ニュースやサイトを見ていると
「結婚する必要がないと考えている人がこんなにたくさんいるなんて!」
「これじゃあ少子化が進むはずだ」
と悲観する声を多く耳にします。
まぁ日本の高度経済成長期の頃にはほぼ全員が結婚し、とにかくたくさん子供を産み育て社会へ。。
というのが当たり前だった時代の方たちから見れば驚きもあると思います。
しかし現代の若い世代の考え方として見れば「なるほどな~」と。
私は仕事柄、若い世代の人たちと話す機会が多いのですが、さまざまな話をしている中で「結婚観」について若い世代の背景や価値観より、大きく4つの理由が見えてきました。
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①「自由」を手放したくない。
結婚をしない若者のなかでも、特に「結婚なんか絶対したくない!」くらいの事を言っている人。
そういう人が考えていることは、とにかく誰からも縛られず自身の好きなことをして生きていきたいという人ですね。
20代前半女性
日常のさみしさを埋めるために恋人はいた方がいいなと。
でも「結婚して夫婦になっていっしょにずっと生活する」というのはちょっと・・・違うんですよね。
この女性は「同じ相手と何十年も生活を共にし好きなことはできず、新しい事にもチャレンジする事ができず、監獄にいるような気分になるに違いない」ということをしきりに言っていました。
しかしなぜ、そんな考えになってしまうのか。
「一生、思うまま自由に生きたい」という意見も多いなか、大きい理由としては
”既婚者からきく話に良いことがない”
という内容。
まぁ、考えてみればちょっとわかるような気もしますね。世間一般的に、
という話よりも
くらいに言っているほうがどうしても盛り上がっちゃうんですよね。
そして社会人生活のなかで感じるのは、現にグチや悩み事、そして「自分が自由に何かをできない」とか「大変である」という話を外でしてしまう人が多いというのは感じます。
そしてもうひとつ。それは
女性の社会進出率が高くなったこと。
現代は、男性が仕事をし女性が家事・育児を行っていた古い時代とは違い、女性の社会進出が大きく進んだ時代。
特に90年代から2000年代は女性の社会進出率が著しく上昇しましたね。
そんな中、男性が一家の大黒柱で偉かった過去の時代と違い、家庭で女性が発言権を持っていたり妻の方が年収が高くて頭が上がらない、という家庭もかなり増えてきた。
そういった世代の既婚者たちから「結婚したら尻に敷かれることになるぞ」のような、とても自分本位な悪い内容が際立った話だけを聞く機会が多いため、独身男性たちが「今の自由を手放したくない」と考える手助けをしてしまっていることも。
そして女性のほうは、自身で稼ぐことができるようになったことで好きなことを自由にできるようになった。
そうして仕事にはげみ好きなことに打ち込んだ上で、適齢期頃に結婚を考え始めるという余裕ができた。
上記のようなことはけして一概に言えることではありませんが、あくまで「結婚はしたくない」「すくなくとも今は考えていない」という人に絞った場合、このようなことも理由に加担しているのも事実ということです。
②「結婚をする理由がない」とは。
結婚をする理由は人それぞれですが、理想は「恋愛結婚」という方も多いのでは。
「ドラマのシーンのように恋に落ち、障害を乗り越えやっと結ばれ。。」「いつの間にか両想い。。」というような、素敵な恋愛。
いつの時代も心がときめくものですよね。
しかし問題なのは、現代に生きる私たちにとって「心が躍動する程に感動するハードルがかなり上がってしまった」ということ。
ひと昔前とちがい、今では数々のメディアが存在しまずね。
わざわざレンタルのお店まで足を運ばずとも大作映画から人気のドラマ、書籍やマンガ、オリジナルの番組からYou Tube。。なんでもすぐに見る事ができます。
しかしそのようなとても便利な環境というのは裏を返せば「簡単に非日常的な感動を味わうことができる」ということ。
恋愛に対する理想や夢・希望は心に秘めていながらもそのハードルはとても高く、現実とのギャップは埋まらない。
そんな心理状態が常態化しきった人たちが、いざ現実を目のまえにしたときに「こんなものじゃない」とか「もっとこうしてほしいのに」ということが頭に浮かんでしまう。
そうこうしているうちに結婚相手を選択する状況になったとき、ある種の「妥協」となってしまいますね。
「妥協するくらいなら」そして「今の自由な時間を手放すくらいならば」別に結婚しなくてもいいという考えに至ることもありえるわけです。
実際、私の周りにも「結婚と恋愛は別」と心を割り切り、相手の勤務先の規模や言うことをききそうな性格なだけで結婚した知人女性が数人いますが、きっと旦那さまは新たな愚痴を世の中に作り出していることでしょう・・・。
③経済的な余裕がない。
現代は特に、将来に対する金銭的な不安がかなり現実味をおびている事が特徴です。
若い世代がやっとのことで会社へ就職し、働いても働いても年収は平行線。
そして稼ぐほどに税金がとられ貯金もままならないなか結婚し、子供を産んで育てていくということに対してはどうしてもシビアな見方になってしまうんですね。
現実的視点の男性
生活だけは何とかなる。。しかし貯金はないので結婚して子供が生まれたら余裕はなくなる。
そして老後も家族を養うには死ぬまで働かなければいけないかもしれないし、だからと言って自分が劇的に増収できるとは考えにくい。
そう考えると結婚せずに自分が生活できるだけのお金を貯めながら生きていきたい。
このような考えから「それならば結婚して配偶者や子供に責任を負いながら生きていくよりも ”自分が一人でどう生きていくか” を考える方がよほど経済的にも現実的だ」という思考になってしまうんですね。
④異性との関わり方がわからない
過去に ”草食系男子” という言葉が流行しましたが、今ではそれが進化して「植物系男子」と言われる事もあるそうです。
まぁ男性だけが消極的であるとは言いませんが、過去と比べてこういった言葉が出てくるほどの何か大きい変化があったということは事実。
これには「受け身の感覚」が大きく関連しているといわれています。
みなさんも日々、スマホやインターネットで何かを調べたりゲームをプレイしたりテレビを見たりしますよね。
このような事というのは、能動的なように見えて実はすべて「与えられた物・事を受け取っているだけ」で、あくまで受動なんです。
無意識のうちに「受け取ること」が当たり前となってしまった感覚で世の中を見た時、簡単に自分のところへやってくるものがどれだけあるでしょうか。
そうして「自分で考えてみることをしない」「既存のものに頼りすぎて0から1を創る思考・行動にならない」というのが消極的な思考にもつながっていると考えることもできます。
異性との関わりなんてまさに「受動」だけでは発展しない事もあるでしょう。
しかし「受け取ること」に慣れてしまった人はなぜほしいものが手に入らないのかがわからない。
考えても調べてもわからない事は理解できず「自分はモテないから」「恋愛には向いてないから」という理由をつけて納得してしまうという特徴があるようですね。
さいごに。
上記4つが、「ちょっと怖い、若い世代が結婚しない理由」でした。
結婚というのは、どの時代にもとても大きなイベントであり、そしてとても幸せな出来事ですよね。
私自身、今回のようなことに興味をもち若い世代に話をきいて調べてみるまでは、既婚者として「結婚したくない」という考えがイマイチ理解しがたいものでした。
しかしあらためて理由を知り、世の中の状況や物の考えかたを考察することで「なるほど」と感じる事も多くありました。
”時代” と言ってしまえばそれまでですが、技術が進化しさまざまな物が便利になっていくなかで、それが恋愛や結婚に関わる心理的な部分にまで影響が出ているということには皮肉を感じました。
しかしこれはけして技術が悪いのではなくなんでも受け身にしてしまう心こそに問題があるのだと思います。
こういう時代だからこそ、情報を取捨選択し自ら考える姿勢を忘れずに生きていきたいですね。
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